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2021.4.23 私のこと
聞き書きを知ってますか?

新聞で中山間地域の人工林の課題を知った私。

 

東日本大震災の被災地には、

赴いて力になることは難しそうだが、

愛知県内のことなら、何かできるかも、と思い、

勉強を重ねた

 

私は、生まれも育ちも街中なので、

中山間地域のいろいろに詳しいわけではなかった

 

だから、それに近しい話題を目にすると、

なんでもチェックするアンテナが立っていた

 

2013年、

長野県根羽村で「聞き書き」を行うと耳にし、

年齢制限をオーバーしていたが申し込みをした

お許しが出て、晴れて参加できることになった

 

1人で、お宅を訪ねて、

その方の半生をお聞きする

録音を元に、原稿を書き起こし、

時系列を整理し、

内容を確認する。

 

文字にすると、たったこれだけのことだが、

初めてお目にかかる方から、お話を引き出すことも難しい上、

年配の方とは生きてきた背景が異なるので、

一度、話をお聞きしたぐらいでは、

掴み切れるものではなかった。

 

数回にわたり、訪問を重ね、

書き起こした文面に不明な点があれば確認し、

推敲を重ねた

 

何度も何度も文章を読み返すうち、

不思議な感覚に捕らわれた

 

まるで、その方の人生を自分が歩んだような気持ち

自分の記憶の中に、その方の人生が入り込んでしまうような

 

なんとか、文章をまとめ上げ、本になった。

 

お話をお聞きした小林さんは、その当時83歳だった。

近くを通ることがあれば、連絡をし、

お顔を見に行ったり、

年賀状のやり取りをしたり。

 

次第に、お嫁さんが年賀状の返信を下さるようになった

 

数回しかお目にかかったことのないお嫁さんだったが、

互いに似たような経験をしていることがわかり、

SMSで近況を尋ね合うようになった

 

昨年、

小林さんが他界されたことをお知らせくださった

他府県への移動を制限されている折、

お参りに行くことも気が引けたので、

お供えの品だけをお送りした

 

昨日、

トマトジュースを送りますね、と連絡があった

 

届いたのがこれ。

 

小林さんのお孫さんが作られた品

 

おじいさんが、命を懸けて切り開いた土地で、

これからも繋がっていく命がある

 

トマトジュース好きな私が、

思わず唸った

 

今年のお中元はこれに決めた

 

小林農園

 

 

もりりん’ ず
有限会社 泉企画

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