強烈な歯痛のために、
仕事に支障を来したし、
予定を変更せざるを得なかった。
11月の日曜日、
珍しく主人が、朝食は要らない、と言った。
これまた珍しく、
ちょっとベットで横になってる、と言った。
私は、仕事のために出かけた。
途中、連絡は入れたけど、
今の時代、家族の間でも、
メールでのやり取りの方が手軽な場合もあるし、
私も、いちいち電話するほどでもない、と思って、
「どう?」みたいなメールはしてたと思う。
帰宅しても、主人は寝室にいた。
休みといえば、
子どもたちとどこかに出かけることが多い人なのに、
一日中、家にいたなんて、ものすごく体調が悪いのかもしれない、と思った。
翌日、
いつもの整形外科に乗せていってほしい、と言われた。
驚いた。
膝が悪い主人は、
定期的に整形外科に通っていて、
いつも自分で運転して通院していた。
ちょっとめんどくさいな、と思いながら、
私の運転で、整形外科にいった。
診察してもらったけど、
いつもとそんなに状態は変わっていないようだった。
帰り道、
「悪いのは、膝じゃないかもしれないから、
日赤に連れて行ってほしい」と言った。
主人は、軽い脳梗塞を2度、経験しており、
かかりつけの病院が、日赤だった。
時間外受付を受診し、
いつものようにかなり待たされた。
バイタルを測定すると、看護師さんが慌てた。
救急医が駆けつけ、
SPO2を測定すると、医師の顔色が変わった
何度も確認し、私たちに告げた。
「酸素飽和度が60%と、非常に低いです。
このままだと、間もなく多臓器不全に陥ります」
主人と顔を見合わせた。
多臓器不全って、どこが悪いの?
それから、たった2週間の入院で、
主人は私たちの前からいなくなってしまった。